嗅覚研究室

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ニオイの同定は難しい

2020年4月17日

パン

嗅覚を評価する基準となる項目については「検知」や「認知」、「同定」などがあります。

「検知」とはどのようなニオイか分からないけど、ニオイを感じること
「認知」とはどんなニオイか表現できること

となります。詳細は“「閾値」を知ればあなたも嗅覚の専門家”をご参照ください。

今回は「同定」のお話をしたいと思います。

「同定」とは提示されたニオイが何のニオイであるか特定できることです。

例えば、目隠しなどニオイ以外の情報を一切シャットアウトしてパンのニオイだけを嗅いで、パンだとわかれば、正しく同定されたことになります。しかし、パンのように日常生活で接することの多いニオイであっても、ニオイ以外に手掛かりがないと同定は難しいとされています。

ある研究では、日本人に馴染みのあるニオイ27種類の同定率は約半分というデータがあります。ニオイの種類によって、例えばチョコレートは100%でしたが、クレヨンは10%と、同定率は大きく異なります。

また少し専門的になりますが、「同定」を評価することも難しいのです。自由回答の場合はその答えが正解なのか不正解なのかの判断しなくてはなりません。

例えば、リンゴの皮のニオイを接着剤、と答えた人がいました。それは違うと思われるかもしれません。しかし、果物のニオイの特徴を表す成分であるエステル類がリンゴの皮に含まれています。これと同様のニオイは接着剤に含まれる有機溶剤にも含まれていますので、あながち間違っているとはならないわけです。むしろ感覚的には正しいと言えます。

このように、ニオイの同定は難しく、さらに正解が評価する人によって異なるという、二重の難しさを持っているのですね。

評価の難しさ、この点も嗅覚という分野がこれまでなかなか研究が進まなかった原因の一つなのかもしれません。

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