嗅覚研究室

嗅覚のなぜ?を徹底研究!カグー博士の日々の研究をこちらで報告します。

光の三原色ならぬ、ニオイの原臭ってあるのでしょうか?

2020年4月24日

虹

ニオイの原臭ってあるのでしょうか?
視覚には光の三原色(赤・緑・青)があります。ではニオイの原臭とでも呼ぶべきものはあるのでしょうか?

嗅覚の話をする前に、視覚以外の感覚について確認してみましょう。味覚では五味(酸味・甘味・塩味・苦味・旨味)が、触覚には4つの感覚(痛覚・温感・冷感・圧感)があります。聴覚には音階(ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ)が当たるのではないでしょうか。五感のなかで、唯一嗅覚だけがないように思われます。しかしニオイを分類し言葉で表現しようという試みは古くから多くの研究者が取り組んできました。その一部をご紹介したいと思います。

古くはギリシャ時代、アリストテレスが「感覚論」の中で7種類(甘い、酸っぱい、つんとくる、豊かな、脂肪、収斂性(渋み)、糞様)に分類しています。
1756年、分類学の父と呼ばれるリンネも7種類(芳香性、フラグラント、麝香、ニラ臭、尿臭、悪臭、腐敗臭)に分類しています。
日本でも江戸時代、貝原益軒が5種類(こうばし、くさし、焦がれくさし、生臭し、くちくさし(腐))に分類しています。この時代までのものは日常生活の身近な経験から取り上げたもので根拠があるわけではなさそうです。

1900年代に入ると有名な仮説が2つあります。ドイツの心理学者であるヘニングとイギリスの化学者であるアムーアです。
ヘニングは「嗅覚プリズム」という説を提唱し、ニオイを6種類(薬味臭、花香臭、果実臭、樹脂臭、焦臭、腐敗臭)に分けてニオイの質をプリズムの中の位置で表現しようと試みました。
もっとも科学的な方法で分類したのが、アムーアの7原臭(樟脳臭、刺激臭、エーテル臭、花香臭、ミント臭、ムスク臭、腐敗臭)と言われています。さらにアムーアは「立体化学説」を提唱し、ニオイ分子が受容体と結合するという、現在の理論の礎を築いたと言えるかもしれません。

いかがでしたでしょうか。様々な研究者が様々な理論でニオイの原臭の解明を試みてきました。徐々に明らかにされつつありますが、実用的かつ、普遍的な理解には至っていないというのが現状なのです。

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