嗅覚ってなに?
ニオイと嗅覚に関することを、もっと知りたい!そんな声に答えるために作られたサイトがこの「みんなの嗅覚」です。ニオイが私たちの生活にもたらすものとは?
ニオイってなに?
甘い花の香り、レストランのおいしそうな香り。
心落ち着く香り、懐かしいあの人を思い出す香り……。
匂いに関する記憶は、だれもが持っているものです。
いい香りだけではなく、体臭、口臭をはじめとして、苦手な匂いもきっと誰にもひとつはあることでしょう。
わたしたちは、色々なニオイに囲まれて生活しています。
ニオイを感じる部分
匂いを感じ取る感覚のことを「嗅覚」といいます。
この嗅覚、じつは私たちの体と心に、大きな影響を与えているのです。
それではそもそも、私たちはいったいどのような仕組みでニオイを感じ取り、かぎ分けているのでしょうか?
ニオイを感じる場所といえば、鼻。
いったいその奥では、何が起こっているのでしょうか。
ニオイを感じる仕組み
人間の鼻の奥には、嗅上皮といわれる部分があります。
ここにある嗅細胞という細胞は、外部から入ってきた化学物質を読み取り、電気信号にして脳内に伝達します。
脳は、この信号を受け取ると、それを特定の「ニオイ」として認識するのです。
現在の地球上には、20万~40万の分子が浮遊しているとされていて、多くの物質の放つニオイはその組み合わせによって変わってきます。
つまり、この世界には無限に近い数の匂いが存在するということになるのです!
そのなかでヒトが感じることができるニオイは数十万種類とも言われています。
レジにあるバーコードリーダーを思い浮かべてください。
線の組み合わせから金額などのデータを読み分けるあの仕組みと同じように、私たちの嗅上皮~脳のネットワークは、分子の配列からたくさんのニオイをかぎわけています。
この一連の仕組みからなる感覚のことを「嗅覚」といいます。
嗅覚の役割
嗅覚は一体何のために発達したのでしょうか。
まず嗅覚が大きな役割を果たすのは、食物の腐敗や煙・ガスといった異常事態から身を守るときでしょう。
人間よりも嗅細胞が多く、嗅覚が優れている動物は餌を見つけたり、行動範囲(なわばり)を決めるためにも、ニオイを利用しています。
人間においてはそのほかに、コミュニケーションのツールや生活に潤いを与えるものとして、様々なニオイの力が使われています。
ハーブや花の香りで心身をいやすアロマテラピーなどは、その良い例といえるでしょう。
ニオイは、脳を刺激して、ヒトの記憶や情動にも働きかけます。
最先端の研究では、嗅覚の障害とアルツハイマー病の関係が指摘されるなど、ニオイが私たちの生活に与える影響は、ますます大きくなっているようです。
なにげなく嗅いでいたその「ニオイ」について、もういちど、意識を向けてみませんか?