嗅覚研究室
嗅覚のなぜ?を徹底研究!カグー博士の日々の研究をこちらで報告します。
ニオイと味の関係
2019年8月28日
私たち人間には鼻腔でニオイを感じるルートが2つあることをご存知でしょうか。鼻から入ってくるニオイと、のどから鼻に抜けるニオイの2つの経路です。前者をオルソネーザル、後者をレトロネーザルと言います。
あまり意識されてはいませんが、食べ物を食べておいしいと感じたり、風味が良いと感じるときは、のど越しのニオイであるレトロネーザルが大きく影響しているのです。
風邪をひいたときに食べ物が美味しく感じない経験をされたことがあると思います。これは舌が効かなくなったわけではなくニオイが分からなくなった、更に詳しくは、レトロネーザル経路が働くなったからということなのです。私たちが味だと思っていたものの大半は実はニオイによるものだったのです。
嫌いな食べ物を思い浮かべてみてください。では、その食べ物はなぜ嫌いなのでしょうか。触感や苦みなどもありますが、多くはニオイが嫌いではないでしょうか。例えば、納豆やパクチー、セロリ、キノコなどいずれもニオイが独特な食べ物です。
食べるとき、あまりニオイを意識していないかもしれませんが、ニオイは味に大きな影響を与えています。いや、ニオイが味といっても過言ではないかもしれないほどです。試しに鼻をつまんで食べてみてください。何とも味気なく感じることと思いますよ。
嗅覚が衰えてくると、味に鈍感になってしまいます。食べることはとても幸せなことですよね。そんな幸せな食事も味が分からなくてはとてもつまらなくなってしまいます。是非嗅覚を大事にして食事を楽しんでいただきたいと思います。
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