嗅覚研究室
嗅覚のなぜ?を徹底研究!カグー博士の日々の研究をこちらで報告します。
嗅覚障害の診断ではどのような検査をするの?
2019年6月20日
嗅覚が衰える原因はさまざまです。そのため、まずはニオイが分からなくなった原因を調べることが大切です。
では嗅覚障害を診断するためにどのような検査があるのでしょうか。日頃経験することのない嗅覚障害の診断について不安を抱えておられる方も多いかと思います。近所のクリニックや大学病院、さらに「嗅覚外来」を設けている病院など、医療機関によって設備はさまざまですが、主な診察や検査をご紹介しますので、ご参考をしていただければ幸いです。
問 診
嗅覚障害の診察には、原因や予後予測のために詳細な問診が重要です。次のような項目が尋ねられますので、準備をしておくとよいでしょう。
・ニオイが分からなくなった時期
・症状のあらわれ方(急に、徐々に、など)
・自覚してからの変化(悪化した、変わらない、日々変動する、など)
・ほかの病気の既往歴
・味覚障害について
・日常生活でどのように困っているか
などです。問診の内容によっては難しいものもあるかもしれませんが、嗅覚障害は症状になかなか気が付きにくいですので、わかる範囲で構いません。
また、嗅覚障害の程度を把握するために「日常のにおいアンケート」と呼ばれるシートで自己評価してもらうこともあります。
検 査
内視鏡検査
嗅覚障害の原因はさまざまで、イコール鼻の病気とは限りません。しかし嗅覚障害の一因となる鼻の病気の有無を調べるため、内視鏡を使って鼻の内部を観察し、ニオイ物質が嗅粘膜に到達することを妨げるような、腫れや鼻茸と呼ばれる腫瘍の有無を確認します。
画像検査
鼻の形の異常や炎症、脳の異常などを調べるためにCTやMRIといった画像検査を行います。近年、画像診断の発展著しく、診断や様々な情報の収集に使われています。
嗅覚検査
いよいよ嗅覚検査です。ここでは日本で保険適応を受けている2つの検査方法についてご説明いたします。
- T&Tオルファクトメーター
様々なニオイの種類と異なる濃度のニオイ液を嗅いでいただき、ニオイを感じるか、どのようなニオイかを答えてもらう検査です。渡されたニオイのついた紙を嗅いで答える簡単な検査で検査時間は20分程度です。
- 静脈性嗅覚検査
ニオイのする薬液を静脈に注射して、ニオイを感じるまでの時間とニオイが消えるまでの時間を計測する方法です。検査時間は2~3分程度ですが、注射をすることと、多くの方に注射による血管の痛みが起きます。
嗅覚障害の診断
これらの検査結果を総合的に判断して、嗅覚障害の原因や治療法、治療期間の目安など決定してきます。
嗅覚障害が鼻の病気によるものであれば、適切な治療を受けることで多くの方の嗅覚は回復します。
多くの病気に言えることですが、嗅覚障害の治療も早期発見・早期治療が大事です。気になったらぜひ医療機関を受診してください。
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