嗅覚研究室
嗅覚のなぜ?を徹底研究!カグー博士の日々の研究をこちらで報告します。
ニオイは脳で感じています。
2019年7月10日
空気中にただようニオイや食事中に感じるニオイなど、私たちの生活の中はニオイであふれています。ニオイを感じされる物質は20万種とも40万種ともいわれています。が、実はこの数字は厳密なものではないようです。40万種という数字は、約30年前、有機化合物の数が約200万種だった頃の話で、現在の有機化合物の数は1000万種と言われていますから、ニオイ物質の数も増えていると考えられます。
そんなニオイを私たちはどのように感じているのでしょうか。
ニオイ分子は私たちの鼻の中にある【嗅粘膜(嗅上皮)】という組織に溶け込みます。「溶け込む」という表現を使ってるのには理由があります。ニオイ物質は空気中に漂うために揮発性であると共に、【嗅粘膜】へ溶け込むための溶解性を持ち合わせているのです。
【嗅粘膜】に溶け込んだニオイ分子により【嗅細胞】が興奮し、電気信号へと変換、【嗅神経】を伝わって脳の一部である【嗅球】へと投射されます。【嗅球】から【脳】の様々な部分へ伝達され、どのようなニオイなのか、好きか嫌いか?以前嗅いだニオイか?など、様々な情報が統合され処理されます。
私たちはニオイを嗅いだ時、「あ、いいニオイだな」とか「このニオイは不快だな」とか感情で表現すると思います。感情は脳でコントロールされていますので、ニオイを嗅いですぐに感情が沸き上がる嗅覚は、他の感覚と比べて脳との距離が近い感覚である、と言えると思います。
このように嗅覚は脳との関連が強いという特徴があることから、近年脳の研究で嗅覚が注目されているのです。
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