ニオイコラム

ニオイがわかるのは、なぜ? 今さら聞けない『嗅覚』の秘密にせまります。

雨の香り

2023年6月30日

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雨の多い季節ですね。

近年の梅雨はゲリラ豪雨など身の危険のある雨の降り方も目立ち、しとしと雨とアジサイを楽しむ、といった感じとは少し異なっててきており、注意が必要ですね。

雨は本来無臭のはずですが、確かに、私たちは雨の香りを感じることができます。それはなぜなのでしょうか。
雨の香りは雨の降り始めに感じられる「ペトリコール」と雨上がりに感じる「ゲオスミン」という主に2つの成分によって生み出されると言われています。

雨の降り始めに感じられる「ペトリコール」はギリシャ語で【石のエッセンス】という意味を持ち、雨粒が地面や岩、樹木に当たった際に様々な匂いを含むエアロゾルとなり空気中に巻き上げられ、私たちはにおいとして感じることができます。

雨上がりに感じられる「ゲオスミン」はギリシャ語で【大地のにおい】という意味を持ち、土の中の微生物などによって作り出される有機物のカビ臭のようなもので、雨水の蒸発とともににおいを感じます。

雨の香りはこれらの成分が絶妙に組み合わさることで生まれるのです。湿度と土壌、植物の芳香が一つになり、大気中に広がります。それは自然が織りなすシンフォニーのようなものであり、私たちを心地よさと安らぎへと誘います。

雨の香りで自然とのつながりを感じながら梅雨の時期を過ごされてみてはいかがでしょうか。

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