ニオイコラム
ニオイがわかるのは、なぜ? 今さら聞けない『嗅覚』の秘密にせまります。
ニオイのする夏のお花
2018年6月20日
夏に感じることのできる花のニオイをご紹介します。
【ドクダミ】
梅雨に入る前の時期から、日陰を見るとドクダミが自生しているのを見ることができます。
青臭いニオイがすることからあまり好きでない、という方も多いかと思いますが、10の効能があることから「十薬」と呼ばれるほどなのです。日本薬局方にも記載があり、利尿作用や解毒作用、動脈硬化予防など幅広い効能効果があります。
あの青臭いニオイはデカノイルアセトアルデヒドという成分で、ニオイ成分には殺菌作用があります。消臭などにも使えますので、ドクダミのニオイはそんなに嫌ではないよという方は是非お試しされてみてはいかがですか?
【クスノキ(楠)】
街や神社などを歩いていると、少しスーッとする独特な香りが漂ってくることはありませんか?
見上げてみると、木の上に白い小さな花が咲いているのが見えます。クスノキ(楠)です。この独特のニオイがすることから「臭し(くすし)」→クスノキとなったとも言われております。
クスノキの独特のニオイの成分は樟脳(しょうのう)、カンフルやカンファ―とも言います。 ご年配の方は、縁日などで売られていた樟脳船を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。
樟脳には血行促進、鎮痛・消炎作用があるとされ、防虫剤や医薬品など様々な用途に使われておりました。カンフル剤という言葉もここから来たと言われております。
【ハス(蓮)】
蓮の花って香りがするのをご存知ですか?
なかなか嗅ぐ機会もなく、水辺に咲くので嗅ぐことも難しく香りのするイメージのない方が多いのではないでしょうか。芥川龍之介の「蜘蛛の糸」でも記載されているように、「何とも言えない、良い香り」がするのです。
爽やかなスゥ~っとした香りの後に、甘い香り。その香りが蓮の花だとわかると、風に漂う香りもわかります。
蓮の花は7月下旬から8月中旬まで、また、香りを楽しむには、朝早くがおすすめです。上野不忍池、昭和記念公園、鶴岡八幡宮など。この夏是非蓮の花の高貴な香りを感じてみてください。
【ユリ】
ユリは、ゴージャスな存在感がありながらも純粋で気品を感じるその姿のとおり、とても強い香りがします。
やはりカサブランカの香りは強く、種類によって様々な香りがあります。ユリの花は好きだけど、香りが苦手という方も多く、好き嫌いが大きく分かれる香りでもあります。
女性の美しさを表現する言葉として「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿はユリの花」があります。ユリは風に揺れる姿が美しく、その様子から命名されたとも言われているのです。
日本は様々なユリが栽培されているユリの宝庫です。ぜひ立ち姿とともに香りを楽しんでみてください。
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